2016年2月18日木曜日

朝の文章(2014年11月)

すっごい久々の更新になってしまいました・・・。
これからちょくちょく文章も書いていけたらなーと思っているので、もう少しこのブログは活性化できるか、と希望は持っています。

ただ直近でネタがないので、今回は以前書いた文章をちょっとご紹介。(ライブレポとか本当苦手ですいません)

2014年11月に出演した朝の音楽会(『朝の、おんがく。vol.2 冬が聞こえる朝、ワルツの日。』)で特典だった新聞に寄稿した文章です。この文章を元にとある曲の歌詞は作られたりしています。





はじめての朝、あたらしい耳であたらしい世界を聴く。
二度と同じ朝はなく、二度とこの世界もない。
夢から覚めた寝ぼけ眼と耳と身体で、「昨日まで」の余韻に誤魔化されないように、慎重に、丹念に、朝を迎える。
 

大概、朝は「昨日まで」への執着を捨て去る前にやってくる。「昨日まで」は仕方なく、朝の下に潜り込み、あたかも一つの地表であろうとする。その振舞いは毎日繰り返され、マーブル模様の地層が出来上がっているのも知らず、私はまるで昔からよく知った顔として朝を迎える。
 

あたらしい朝を、そのあたらしさのまま迎えるためには、この地層を切り離さなければ、と思う。旅は人間が知るその最良の方法なのだろう。ただ時折、全くこちらの意思とは関係なく、地層は私を切り離す。不意に放り出されて迎える、何もない地平に浮かぶ一つの朝。